日本機械工具工業会

平成28年度 日本機械工具工業会賞

環境活動賞
コンプレッサー台数制御による省エネ
オーエスジー株式会社 

課題

ロータリー方式によるエネルギーロスの課題。


活動概要

保有するコンプレッサーの供給能力を把握し、能力の高い設備を優先的に稼働出来るようにした。


創意工夫点

・ターンバック方式複数コンプレッサーを負荷に応じて起動順番を設定し起動し、最後に起動したものから停止する。(アンロードロスの改善)


啓発度

省エネ対策は、会員各社の共通課題と考えられ、会員への啓発度、貢献度がある。


効果

電力使用量:削減 10%、10,200Kwh/年削減





熱源更新によるエネルギー削減
京セラ株式会社

課題

工場エネルギー使用の16%を占め環境負荷の大きい空調熱源の削減が課題。


活動概要

熱源を計測システムを使用、分析し、エネルギー効率の悪い建屋に絞り対策した。


創意工夫点

・ガス炊き吸収式冷凍機から空冷チラーに更新。
・差圧制御、熱源台数制御の導入。


啓発度

空調設備の熱源の効率化は、会員各社の共通課題、エネルギー計測・監視システムによる見える化および熱源空冷チラーによるエネルギー削減は、会員企業への啓発度、貢献度がある。


効果

電力使用量:989,600Kwh/年削減
LPG使用量:48,042Nm3/年削減
CO2排出量:946t-CO2/年削減





集中ろ過装置導入による水使用量削減、産廃削減
京セラ株式会社

課題

研削液の劣化に伴う全液交換を行うたびに、大量の水使用とスラッジ等の産廃発生で処理費用が高額で課題。


活動概要

研削液の劣化を防ぎ、交換しなくても長期間連続使用できる研削液ろ過装置を導入(自動化)した。


創意工夫点

・ろ過装置とろ過仕様(脱水フィルター、流量、最適稼働条件)循環構造、脱水フィルターの仕様を自社にて検討工夫。


啓発度

ダイヤモンド砥石による研削加工は、会員各社の共通課題、集中ろ過装置の採用による改善は、会員企業への啓発度、貢献度がある。


効果

産廃排出量:6.1t の削減
水使用量:188tの削減
産廃処分経費:1,015,000円削減+有価物売却




太陽熱を利用した廃液減容プラント開発
住友電工ハードメタル株式会社

課題

廃棄物の半数が水溶性廃液で産業廃棄物の増加が懸念される。


活動概要

水溶性廃液の減容に電気、LPGを使った装置でなく太陽熱を熱源にした装置にした。


創意工夫点

・クーリングタワー熱交換時の冷却水。
・無尽蔵ニアル太陽熱を熱源に限定。


啓発度

酸、アルカリを含まない下水放流の基準に満たない産廃処理の廃液の減容化に役立つ。


効果

産廃処分経費:207,000円削減





補助金を利用した照明LED化による電力費削減
住友電工ハードメタル株式会社

課題

電気料金が段階的に引き上げられている


活動概要

省エネ補助金を利用し、初期投資金額を30%削減。社内採算基準を満たし、省エネ型の最新機種の導入を行った。


創意工夫点

・補助金利用によるイニシャルコストの削減。                         
・工場レイアウトに適した照明配置、点灯区分見直し。


啓発度

補助金申請は各種資料の提出などハードルが高いイメージがあるが申請内容を理解し事前準備をしっかり行うことにより、採択率を高めた。


効果

電気使用量:121,600Kwh/年削減





洗浄機捨て水の再利用による排水削減
日本特殊陶業株式会社

課題

洗浄機では純水が必要であるが、フィルターを通過しない水は捨て水になる。


活動概要

工場内使用水の水質調査を行い、捨て水の水質で再利用できる設備、工程を洗い出した。


創意工夫点

・焼成炉の冷却チラーの循環水が、水の使用量も多く、水質上も問題がないために採用された。


啓発度

設備、工程で決められている水質を把握することで、今まで廃棄していた水を再利用するのに適した場所が見つけやすくなり、節水が効率的にできるようになる。


効果

排水削減効果:5トン/月





研磨粉の脱油を行うことによるコスト低減(有価物化)
株式会社不二越

課題

研磨粉と油が分離できないため産廃処理費用が高額課題。


活動概要

作業工程に脱油装置を導入し、油分を取り除き、研磨粉を有価物1円/kgとした。


創意工夫点

・全社の砥石仕様を調査し、一目で砥石を分別できるようなワンポイント資料を作成し、回覧式にて周知、教育資料として活用図り、分別、リサイクル実施により産廃量の削減を図った。


啓発度

脱油装置を使い、油を除くことにより処理費用が有価になる手法は、会員企業へ参考となり、啓発度、貢献度がある。


効果

産廃処分経費:516,000円削減





コンプレッサーシステム更新による省エネ活動
富士精工株式会社

課題

設備の老朽化により、トラブルの発生回数が年々増加し更新が必要。


活動概要

22kwコンプレッサー4台から37kwコンプレッサー2台体制とし、停止タイマー及び電力モニターを取り付け、コンプレッサーの監視を行い、供給圧力を0.7Mpaから0.6Mpaへと変更した。


創意工夫点

・コンプレッサーを4台から2台にすることにより、機械からの排熱の問題も解決でき、定期メンテナンス時に排出されるオイル等の消耗品を削減した。また、高効率機を導入したことにより、消費電力量の削減につながった。


啓発度

消費電力量と廃棄物低減につながる改善として、当工業会に限らず内外への参考となり、社会への環境改善効果がある。


効果

電力量使用量:190,188Kwh/年削減
廃棄物:廃油33L/年削減、フィルター6.1kg/年削減





黒染め作業回数低減による資源の節約
富士精工株式会社

課題

従来の黒染め工程では、黒染めの際に製品の上下面に有す複数の穴の中に空気がたまり、染め具合にムラが生じていた。


活動概要

黒染めを行う際の製品の姿勢を工夫することにより、上下面の穴の中に空気が留まらずに、1回で黒染め液と水の消費量の無駄をなくした。


創意工夫点

・製品の設置方法を据え置きから吊り下げに変更。
・吊り下げた製品に搖動運動を付加した。


啓発度

生産性向上活動の多くが環境活動に通じていることを認識できる一例となった。


効果

黒染め液使用料:10.6kg/月削減
水使用量:8.7L/月削減




焼結炉のドライポンプ化によるポンプ油使用量削減
三菱日立ツール株式会社

課題

油回転ポンプでポンプ油を毎日4L交換していた。


活動概要

RPから真空ドライポンプへ変更し、ポンプオイルレスを図った。


創意工夫点

・ドライポンプに変更した。


啓発度

真空ポンプのオイルレス化は、会員企業に省資源化と環境負荷低減の促進効果がある。


効果

ポンプオイル使用量:4,320L/年削減




公共水域への排水負荷削減(高濃度廃液の産廃化)
三菱マテリアル株式会社

課題

瀬戸内海法による高負荷廃液の排水漏洩リスクがある。


活動概要

排水処理を行っていた30tタンク及び排水ピットの廃液の排出先を産業廃棄物として外部処理委託に変更した。


創意工夫点

・廃棄物の適正処理と安全確保を実施。


啓発度

汚水処理時の事故、漏洩リスクがなくなるメリットはあるが、費用面での一定のランニングコストが必要となるので、汚水等の濃縮による減容化、産廃化から下水化への変更等の配慮すれば会員企業に貢献できる。


効果

公共水域への排水負荷削減:COD負荷量 221kg/年削減




所内照明器具LED化による電力削減
三菱マテリアル株式会社

課題

長時間照明使用で消費電力のが多い。


活動概要

所内各棟の蛍光灯台数を調査した後、照度計算し、必要台数の見直し後、LED化した。


創意工夫点

・照明コストは電力消費×点灯時間で成り立っているため、今回LED化に加え、常時人がいないエリアには人感センサーを設置することで、不要な点灯時間を削減し、電力低減を図った。


啓発度

照明器具のLED化は、他の省エネ事例と比較して取り掛かりやすい内容で、トップランナー制度の改正からみても、推進出来る。


効果

電力使用量:404,000Kwh/年削減
CO2排出量:199t-CO2/年削減




トップランナー方式モーター使用による効率化の確認
株式会社彌満和プレシジョン

課題

2013年省エネ法改正により2015年以降、汎用モーター(効率クラスIE1)は製造元となるモーターメーカーが製造販売を行うことができなくなる。


活動概要

規制の対象はあくまでメーカーが主となるが、トップランナー方式モーターの導入を行い、省エネに務めつつ、モーターの効率や問題点の調査を鋭意進めた。


創意工夫点

・比較的容量の大きい付帯設備の高効率モーター11Kwをトップランナー方式へ交換した。


啓発度

トップランナー方式モーターによる省エネ推進に役立つ。


効果

電力エネルギー削減:3.5%、127Kwh/年削減