日本機械工具工業会

令和元年度 日本機械工具工業会賞

技術功績大賞
Silent Toolsプラスの開発 サンドビック株式会社
河田 洋一

新規性

従来、工作機械にセンサーを取り付けて加工のモニタリングを行う製品・ソリューションはあったが、本来の加工部位である刃先から距離があるため(特に今回のような深い内径用の突き出しの長い工具では)、機械側で得られるデータと刃先での現象に乖離があった。本製品においては、より刃先に近い工具内部にセンサーを内蔵とした点、それにより、刃先で起きている現象と得られるデータの整合性が大幅に向上した点が新しい。




技術功績賞
アルミ加工用Tung Speed Millの開発 株式会社タンガロイ 
阿曽 孝洋、竹澤 大輔、服部 隆幸

新規性

本開発品の最も大きな特徴は、刃先調整機構付きカッタでありながら、調整用のカム部品をレンチに配置し、ボディから調整用の部品を排除した事である。こうする事で、調整機構やその操作に必要なスペースをミニマム化し、φ100で22枚刃を達成した。レンチを持ち替えず調整できるように工夫されており、操作時間を約45%短縮した。




ハイパー Z スパイラルタップ チタン合金用 の開発 株式会社不二越
高見 俊輔

新規性

 これまでのチタン合金用タップは、加工しためねじに通りねじゲージが入らない、突発折損するなどの問題があった。原因調査したところ、分断型切りくずを逆転時に噛み込む様子が観察された。比較的切りくずが小さく分断される低延性材料に対し溝形状を2段溝とし、主溝と副溝の間に凸部形状を設けることで逆転時の噛み込みを抑制する点に新規性がある。





技術奨励賞
低嵩炭化タングステン (WC) 粉末の開発 株式会社アライドマテリアル 
林 武彦

新規性

従来WC粉末は、微粒であるほど凝集粒子が多く嵩高となる課題があった。
今般、原料、還元工程、炭化工程の最適化を図ることにより、W粉やWC粉の凝集を抑制したことに新規性がある。




アルミニウム合金加工用高能率カッタANX型の開発 住友電工ハードメタル株式会社
木下 啓次、沖田 泰彦、金田 泰幸

新規性

①高速回転対応構造と4.5刃/inchの多刃設計(従来比1.5倍)により、超高能率加工を実現
②クランプ時のボディ撓みによる刃先位置の変動を抑制する構造にしたことで、正面振れ5μm以下に高さ調整する作業時間の大幅な短縮に成功
③新技術のブレード(超硬)スルーで、刃先近くへ高い圧力のクーラントを噴出することにより、切りくずを細断することが可能




溝入れ突切りバイトGWシリーズの開発 三菱マテリアル株式会社
木曽 拓真、渡辺 彰一郎

新規性

 従来主流であったインサートをハンマーで叩いてクランプする方法から、専用レンチを使用したクランプ方法に一新することで刃先位置再現性や作業性、安全性を向上させた。またクランプ方法の変更に伴い、インサートクランプ面の逆テーパ化を実現し、抜け防止効果を高めることで、切削性能に加え作業性も向上した突切り用バイトを製品化した。